2021.08.30
ここ、鳥マルシェでは、ひょうご味どりはもちろん、播州百日どりも取り扱っており
「地鶏をお取り寄せしたくなったら 鳥マルシェ」
と思っていただけることもあるほど、根強い人気で支えられています。
ですが、そもそも日本に流通している鶏肉の種類には『地鶏』の他に、身近なスーパーで購入できる『ブロイラー』という種類もあり、多くの方が『鶏肉』と想像するときはこの『ブロイラー』を思い浮かべるのではないでしょうか?
というわけで今回は、『地鶏とは何か』『ブロイラーとの違いは?』と言った、地鶏に関することから、『ひょうご味どりの安全性は?』という、お客様の安心に繋がるお話しまで、兵庫県立農林水産技術総合センター・畜産技術センター・家畜部・主席研究員の『龍田 健』先生(以後 龍田先生)にお伺いしてきました。
関連⇒文献、特許、研究者などの科学技術情報サイト J GLOBAL
さて、「学生時代、鶏と寝ていた」と言われるほど(笑)、鶏の研究をしてきた龍田先生は、ひょうご味どりの生みの親でもあります。
ひょうご味どりは日本三大地鶏の二つ「薩摩鶏」と「名古屋種」そして、「白色プリマスロック」という3つの品種を掛け合わせた交配種です。
※薩摩鶏※
※名古屋コーチン※
※右が白色プリマスロック
左は黄斑プリマスロック※
「白色プリマスロックって、外来種でしょ?」
と思われるかと思いますが、ひょうご味どりはれっきとした地鶏です。
では、そもそも『地鶏』とはなにかというと、4つの条件があって、その全てをクリアしたものが地鶏となるのですが……。
この4つの条件をクリアした鶏を『地鶏』として販売してよい事になっているのです。
※平飼いとは?※
平飼いとは、地面に放って養鶏すること。 |
「日本の在来種のニワトリなんているの?」
そんな疑問を抱く方もいるかと思います。
日本在来の鶏のルーツを辿ると、平安時代頃に中国から(当時だと『唐』と呼ばれていた頃ですね)渡ってきたものになります。
その後日本の風土に合うように改良されたものが『チャボ』や『シャモ』、『烏骨鶏(うこっけい)』と呼ばれる、日本系の鶏になったのです。
※烏骨鶏※
この定義が決まるまでは、けっこう乱雑勝手に「うちのは地鶏だ」と言って販売されているケースもありましたが、こうした地鶏の定義も厳格に決められたのはバブル時代以降です。
現在では地鶏は日本に約60種類以上おり、その中でも、ひょうご味どりは、龍田先生の中でも最高の地鶏と評せられています。
ひょうご味どりは、鹿児島県の天然記念物の鶏である『薩摩鶏』と愛知県の『名古屋コーチン(名古屋種)』の二つの品種を交配させて、そこに『白色プリマスロック』という外国の品種を交配させた地鶏です。
薩摩鶏は元々闘鶏用の鶏で、気性も荒いのですがその分筋肉質でしっかりしており、また名古屋コーチンは肉にコクがあり、そこに劣性白色プリマスロックという体の大きな鶏を交配させることで、名古屋コーチンと薩摩鶏の味わいを残しつつ、大きさヨシの文句なしの地鶏を作ることができたのです。
中学校の生物の授業になってしまいますが、劣性と言っても「劣っている」というワケではありませんよ!!
遺伝的な性質が表に出にくいという意味で、人間の血液型で例えるなら『AO』や『BO』となっても『A型』『B型』となるようなものです。
因みに……兵庫県なのでやはり兵庫の地鶏を交配したかったのですが、播州柏という在来種は体が小さく、どうしても食肉として考えるとNG。
残念ながら、鹿児島の鶏と愛知の鶏をお借りすることとなったのはここまでの話(笑)
ひょうご味どりはこのように名古屋コーチンと薩摩鶏、そして白色プリマスロックという種類を掛け合わせて生まれた地鶏ですが、交配にあたり「ゲノム解析」を実施。
ゲノム解析と聞くと「遺伝子組み換え!?」と怖くなってしまう方もいるかもしれませんが、全然違いますのでご安心ください!!
ゲノム解析は親となる鶏のDNAマーカーを確認すること。
(ちょっと違いますが、すごく簡単に言うと、DNAを調べるようなもの)
ひょうご味どりの場合、体が大きく丈夫であること、脂が付きにくい体質であること、この2つを条件に親を選ぶために利用しています。
体が大きくて丈夫、脂が付きにくいなんて、人間からしても羨ましい体質ですよね(笑)
そんな親鳥から交配して生まれてきたひょうご味どりは、当然、味も肉質も百点満点。
また、お肉として採れる部分も大きいので、養鶏者として考えても最高の地鶏なんですね。
ゲノム解析とは、遺伝子組み換えではなくて、むしろ、安全、安心、そして美味しいお肉を届けるための大切なチェックだったのです。
これはひょうご味どりというより、そもそも地鶏とブロイラー(若鶏)の違いというのもありますが、飼育日数が50日くらい違いますので、その分肉が締って適度な歯ごたえがあるというのが大きな違いです。
また、肉に旨味が乗って、また、これも適度な脂肪が乗ってそれも美味しいと評判です。
薩摩鶏は気性が荒くその血を引いているひょうご味どりも、鶏同士喧嘩しやすく育てにくいため、その分、さらに広い土地で少なく飼わなければいけません。
そのせいもあって1坪あたり20羽くらいと、のびのびと育てられているため、ひょうご味どりのファンでいる『ほんこんさん』もおっしゃっていた『生命力を感じる肉』というのを提供できるのです。
関連⇒地鶏『ひょうご味どり』が人気店を巡り尽くした『ほんこんさん』にも選ばれたおすすめの理由とは!?
地鶏は鶏肉シェアの中で、実は1%程しか流通していません。
それには、若鶏よりも長い時間養鶏する必要があったり、広い土地が必要であったりと生産者側のコストがかかってしまうこともあり、販売する際もどうしても価格が上がってしまうなどといった問題などがあるから。
ですが、ひょうご味どりはこの鳥マルシェ……野乃鳥が全量買い上げなどをして、できる限り価格を抑えて流通できるようなシステムを作ることに成功。
通常の地鶏よりも手に取りやすく販売できるようになりました。
もちろん、居酒屋野乃鳥でもひょうご味どりを使い、限り無くロスを減らすしていますので、より多くの方に地鶏の味を提供できるようになりました。
関連⇒鳥マルシェの社長がすすめる地鶏「ひょうご味どり」のお得なお取り寄せ情報
このように、価格や流通システムの仕組みを作り、より多くの方に地鶏の美味しさ、ひょうご味どりの奥深い味わいを知ってもらうこと。
これが、これからのひょうご味どりの目標となっています。
いかがでしたでしょうか?
地鶏について、ひょうご味どりについて少しでもおわかりいただけましたでしょうか?
今回、優しく、わかりやすく、ひょうご味どりの生みの親である龍田先生が地鶏についてお話ししてくださいましたが、同じく龍田先生ひょうご味どりについて解説している、わかりやすい動画もありますので、ぜひ「ひょうご味どりが気になる!」と思った方はご覧ください!!